
出口 光(Hikaru.Deguchi)
京都府亀岡市出身、1955年1月14日生
茶道裏千家淡交会代議員、慶應義塾大学心理学三田会会長
- 京都府立亀岡高等学校卒業
- 1978年 慶応義塾大学文学部心理学専攻(実験心理学専攻)卒業
- 1984年 米国カンザス大学大学院人間発達学部博士課程修了、応用行動分析学専攻、哲学博士(Ph. D. )
東京へ
出口光は、京都市のお隣にある亀岡市の出身で生まれ、一族は、大家族のようにひと固まりに暮らし、垣根がありませんでした。
みんなで暮らしていると楽しいのですが、ひとりになると「自分は何をして生きたらよいのか?」と悩みました。
自分の道は自分で見つけたいと、東京へ出ますが、何をしてよいのか?がわからずに、悩む日々を送りました。
行動分析学との出会い
人に興味があり、慶應義塾大学で心理学を学ぶことにした出口光は、環境を整えることができれば行動が変わる、「行動分析学」と出会います。
「行動分析学で良い世の中をつくることができる」と確信し、行動分析学を本格的に学ぼうと、アメリカに渡ります。
学ぶ中で、「人の心がわからない」と嘆いていた自分自身の嘆きの中にヒントがあることに気づきます。
実業界へ
株式会社タカキューという上場会社の創業者から、「手伝ってくれないか?」と、人材開発部長への誘いがあったのは、タイミングでしょう。
半年ほど考えた末に、実業界に足を踏み入れることになり、その後社長に就任しましたが、当時はバブル崩壊直後。
最初の仕事はリストラでした。
大量の退店と人員削減、不良在庫の処理・・・売上は下降し続け、社員の士気も弱まっていきました。
そこには、人間の学問的理解とはほど遠い現実があり、文字通り血を流すような経営を行う中で、人間と向き合うこととなったのです。
この時、今までの人間に関する科学的な理解など、まったく役に立たないように思えた、と言っています。
この時、さらに人生の天機が訪れることとなったのです。
人生の「天機」
転機ではなく天機。
出口光の人生を変える機会が天から与えられたような体験が訪れます。
耳に腫れものができ、知り合いの皮膚科に行きました。
すると・・・
「すぐに大学病院に行きなさい!」と言われました。
大学病院で切除し、検査結果を尋ねたところ、病名は告げずに次のように言われます。
「今すぐ入院してください、化学療法をします。」
『会社で責任ある地位にあるので病名を言って欲しい。』
「悪性黒色腫で、転移が早いです。
若いので危険ですから、今日これから入院してください。」
『今日ですか?』
「はい、すぐにでも。」
『化学療法をしなければ、どれくらい生きられますか?』
「まあ、長くて半年でしょう。」
目の前の診療室の白い壁が揺れ、景色が真っ暗になった、と語っています。
化学療法を受けてベッドに横たわって延命するか?
それとも治療を受けずに生きるのか?
二者択一を迫られた時、心の奥底から「化学療法が受けない」という思いが湧き出、即座に半年生きることを選択しました。
半年の時間の中で
あと半年の命を感じると、世界が突然輝いて見え始めたと言います。
道を歩いている時の桜の木に咲くピンクの花に感激し、ご飯を口に入れて噛みしめる度に「あと何回食べられるのだろうか?」と思い、「パパ、パパ」と寄ってくる幼い娘を膝の上で抱く度に「あと何回抱けるのだろうか?」と思ったと言います。
好きではない人もいましたが、あと半年で会えなくなると思うと「嫌だ」という思いが消え、素敵な面を見るようになりました。
出会う人たちの顔が鮮やかに見え、その奥にあるその人そのもの・・・輝く本質が見えるようでした。
そのことに気づいた時、「自分が本来やるべきこと、自分の人生でやるべきことをやろう」と決意したのです。
出口光の想い
自分が本来やるべきこと自分の人生でやるべきこと、とは何か?
ひとりひとりが心の奥にある想いを自覚でき、自分ができること=自分の才能で表現でき、よりよい21世紀を創り、次の世代へと引き継ぐこと。
自らの想いを明らかにすることで、ライフキャリア®のテクノロジー開発を始めたのです。
そして今へ
現在、出口光は健康に生きています。
何の治療を受けることもなく、20年以上が経過しました。
何が起きたのかはわかりませんが、人が元々持つ魅力を引き出し、魅力をお互いに理解し合うにはコミュニケーションが必要となる、誰でも簡単に使え、日常で活かせるテクニックではないテクノロジーを開発し磨き続けているだけです。
こうした出来事は、出口光に、
・命は有限
・人生でやるべきことをやる
ということを意識させ続けています。
科学としての人間行動を研究し、実業を通して人間と関わってきたことから、「人間」がテーマであると感じ、生きがいのあり、創造的で幸せな人生を実現するためにはどのようにしたら?を今も探求し続けています。
